このようなかまち組みの扉を作ります。
扉用の鏡板を作ります。2×4材を6mm厚ぐらいに切ります。165mmの丸ノコでは89mmの引き割りは無理なので、38mmを切るしかないです。バンドソーがほしぃー!
長さは最終仕上がり寸法+10mmぐらいで。幅は鏡板2枚分の最終仕上がり寸法+2〜30mmぐらいになるように。
イモ矧ぎで矧ぎます。あとからサンダーで削るので、ボンドのはみ出しはあまり気にしない。目違いがなるべく出ないように、2×4半割の材で、挟み込んであります。
ランダムサンダーで鏡板の目違いを取り、縦横のかまち板も表面をサンディングしてつるつるにします。初めは#60、あとから#240ぐらいで。かまち板は縦も横も最終仕上がり寸法+10mmぐらいになるように木取っておきます。
横かまちにホゾを切ります。ホゾ切り冶具で。
ホゾ切り冶具で四方を5mmぐらい削ったら、縦方向の一辺のみあと5mmぐらい削ります。こちらが扉の上または下(外側)になります。扉を組み立てたあと、丸ノコで切ってサイズを調整するのに、5mmぐらい大きく作っているため。
こんな感じでホゾが切れました。上は約10mm、下は約5mm、突き出しは10mmです。ホゾ穴をホゾにあわせるので、この寸法はだいたいでいいです。ホゾ穴は10mmストレートビットで彫るのでホゾの左右は10mmぴったりでセンターに。このあと、ホゾの角をヤスリで削って丸くしておきます。
ホゾ穴を掘ります。ホゾにあわせて墨付けして、こんな感じで彫ります。深さ11mmぐらい。厚さ方向にホゾ穴を掘るので、油断をするとすぐ倒れます。同じ材が4枚あるので、2枚づつ両面テープで貼り付けて、1組はホゾ穴を彫り、もう1組はガイドの後ろに当てると安定して加工できます。この写真ではガイドの後ろの材は貼り付けていません。
縦かまち、横かまちに鏡板を入れるホゾ穴を掘ります。6mmストレートビットで彫るので、6mmがセンターに来るように墨付け。ストッパー付きの鋼尺で。墨線が内内になるように2枚の板を両面テープで止めます。写真は横かまちです。
6mmストレートビットで深さ6mmぐらいに掘ります。1回で3mmぐらい。2回に分けて彫ると無理なく掘れます。直線切り冶具は裏を両面テープで止めます。後ろ側には同じ幅の材でゲタをはかせて安定させてます。写真は縦かまちです。
こんな感じで掘ります。
縦かまち、横かまちとも仕上がったら一度仮組みしてみます。仮組みした状態で鏡板が入るところの面取りをしておきます。R1.5mmの丸面ビットで。仮組みして鏡板が入るところの実寸を測り、上下左右とも+10mmで鏡板をカットします。(この辺の写真は取り忘れました・・・)
次は塗装です。
かまち扉は組み立ててしまうと鏡板の周りがうまく塗装できないので、あらかじめ塗装しておきます。ホゾの周りは塗装されてしまうとボンドが効かなくなるので養生しておきます。
塗装にはウレタンニスを使ってます。薄め液を2割ぐらい加えてシャブシャブにしたものをウエスで刷り込んでます。縦かまちの奥の2本は養生を忘れました・・・
扉を組み立てます。鏡板はボンドで固定せず、材が伸縮したときに動けるようにします。ボンドは縦かまちと横かまちのホゾ部分のみです。
クランプで締め付けて固定します。このとき、ねじれやゆがみが出ないように、慎重に。
ボンドが乾いたら軽くサンドペーパーをかけます。#320ぐらいの細かい目で。つるつるになります。
扉をあわせてみました。
サイズを大きめに作ってあるので、丸鋸で切ってあわせます。あらかじめ枠のサイズを測って、現物あわせで寸法を決めます。
右を切ったら、ここを基準面にして上下を切ります。直角切りの冶具を使います。最後に左を。
きれいに収まりました。
丁番を取付ける溝をトリマーで掘ります。ストッパー付きの鋼尺で墨付けすると簡単。
ちょっとわかりにくいですが、扉を手前に立てて固定しています。扉は作業台の上から板1枚分突き出るように固定し、奥の板に固定した直線切り治具がちょうど当たるようにします。
トリマーのベースプレートに5.5mmの合板を貼り付けます。
トリマーの右が直線切り治具、左が貼り付けた合板です。この様に使うと溝が深くほれてしまう事がありません。
丁版の高さより少し大きめに溝を掘ります。溝の深さは丁版の回転する軸の中心までが普通のようです。今回はそれだと枠と扉の隙間が2mmぐらいになり(丁版の厚みがあったということです)、溝を深めに掘ってます。
蝶番の取付け方は後から出てきますが、ここで蝶番を仮に取付け、本体にはめ込んでみて上下左右の隙間が同じになるように最終的な扉のサイズ調整をすると完璧です。
トリマーとドレッサーで扉のまわりを面取りします。あとはウレタンニスを再度塗装して扉は完成。あとは枠(本体)を塗装して、扉を組み付ければ完成です。
扉に蝶番をつけます。穴あけはこのような丁番下穴ドリルで。
ドリルの先をネジ穴に押し付けて開けます。ぴったりセンターに開きます。これは便利!
こんな感じです。
扉を取付けます。底にはスペーサーとしてボール紙を両面テープで貼り付けます。
蝶番にもボール紙を貼り付け、遊びなくぴったりと閉まるようにしておきます。本体に付く方には両面テープを。
前後の位置を調節して蝶番を本体に押さえつけます。この時、下のスペーサーの厚さを変えて上下の隙間を調節します。
押さえつけられて、蝶番が両面テープで本体にくっついてます。この状態で下穴ドリルで穴を開けビス止め。
扉が付きました。
マグネットキャッチを取付けます。扉に付く金具をマグネットキャッチにつけた状態で扉を閉めて位置決めします。この時金具は裏返して爪が扉に刺さらないようにするのがポイント。あらかじめマグネットキャッチには両面テープを付けておき、いい位置になったら押さえつけて仮止めします。下穴ドリルで穴を開け、ビス止め。
取っ手をつけます。バランスを考えて取付け位置を決めます。
直角穴開け冶具(端材に直角に穴を開けただけです)を使い穴開け。
取っ手を付けて本体に取付ければ完成です。