tamotana01.jpg(14456 byte)2006年03月14日

2段の簡単な本棚が必要になりました。1×材で作ってもよかったのですが、手持ちのタモ材を使ってみたくって、高級(?)タモ材本棚を作ることにしました(^_^)
広葉樹を使って本格的な作品を作るのは初めて。おまけに荒材からの加工は未知の領域です。手押し、自動、バンドソーの3点セットが揃ったとはいえ、うまく出来るかどうか・・・しばらく楽しめそうです(^_^)

タモの荒材から板厚を揃えて使える材にするのは、どうにかうまく出来ました。荒材からの木取りをご覧ください。
tamotana02.jpg(15972 byte)板矧ぎします。木端をトリマーで削って平面を出します。
tamotana03.jpg(16730 byte)クランプでしっかりと締め付けます。
接着面の平面がしっかりと出ていて、なおかつボンドを十分に塗ってしっかりと締め付ければイモ矧ぎでも十分強く接着されるので、今回はイモ矧ぎで。
板厚が揃っていて、平面もしっかり出ているので、目違いはほとんどゼロで矧げました(^_^)v
tamotana04.jpg(17784 byte)次に材の矩、平行を出しながら使う寸法にします。詳しくは手押し、自動カンナを使った板矧ぎを参考にしてください。
自動カンナをかけて目違いをとります。ここで失敗してしまいました。板厚を仕上がり厚さにしてしまっていたので、目違いをとった後は0.5mmぐらい薄くなってしまいました。2〜3mmぐらい厚めに木取りして、最終的に仕上がり厚さにするのが正解ですね。
tamotana05.jpg(14472 byte)木端は丸ノコをかけただけでちょっと荒れているので0.1mmぐらい手押しをかけてきれいにします。
tamotana06.jpg(12879 byte)本木取り終了。地味な作業がようやく終わりました(^_^)
これからやっと組み立てするための加工に入ります。今回はビスを使わず、ホゾや大入れ継ぎなどで組み立てようと思ってます。
tamotana07.jpg(16388 byte)継ぎ手の加工に入ります。天板と底板は片胴付き大入れ継ぎで、前部を切り欠いた形です。なんと呼ぶのか、わかる方は教えていただけますか?
板厚を10mm残して、トリマーで削ります。
tamotana08.jpg(15375 byte)前側を約10mm削ります。前に削ったところと段差が出ないように、慎重に位置決めします。
2枚合わせて一度に加工してます。
tamotana09.jpg(17379 byte)次はホゾ穴。10mmビットと、十字型ストップ治具を使います。
tamotana10.jpg(16214 byte)中段の棚板は大入れ継ぎの前を切り欠いた形に。19mmビットで同じようにホゾ穴を開けます。
tamotana11.jpg(25122 byte)棚板の前側を削ります。棚板は1枚で、そのままでは安定して立てられないので、作業台を使って固定しました。
tamotana12.jpg(14702 byte)トリマーで削ったままだとホゾ穴の角は丸いので、ノミで四角くします。
刃物は良く砥いでおかないとダメですね。ノミが切れず、大変でした(汗)
tamotana13.jpg(12191 byte)天板の木端がトリマーで削ったときにむしれてしまいました。ちゃんと当て木をして削らなかった報いです・・・
tamotana14.jpg(14799 byte)全ての材の前側を約1mm削ってつじつまを合わせました(汗)
tamotana15.jpg(13604 byte)継ぎ手部分はこんな感じです。
tamotana16.jpg(15815 byte)クランプ総動員です。ボンドをたっぷり塗って、直角には気をつけて組み立てます。側板と横板が前でぴったりになるように慎重に合わせました。
tamotana17.jpg(14685 byte)R1.5mmの丸面ビットで面取りします。
tamotana18.jpg(15999 byte)広葉樹にはオイルフィニッシュでしょ!ということで、桐油によるオイルフィニッシュにしました。初めてのオイルフィニッシュなので、基本に忠実に行いました。
最初に濡らして軽く絞ったウエスで水拭き。ささくれが目立つので、サンドペーパーで仕上げます。いよいよオイルを塗ります。本当は少し暖めてやわらかくして塗るようですが、今回はそのまま。ウエスで塗りましたが、伸びが悪くて、力が必要でした。
全体に塗ったら乾いたウエスで余分なオイルをふき取り、乾く前にサンドベーパーでウエット研磨します。どのぐらいやればいいかわからないので、効果があったのかどうか不明です(汗)再度乾いたウエスでふき取って終了。
桐油は、天ぷらを揚げているときのようななんとも香ばしいにおいがします。いい香り!色も少し濡れ色になり、いい感じです。乾燥したらどうなるのか、楽しみです!
tamotana19.jpg(15961 byte)オイルフィニッシュをして2〜3日経っても導管から表面にオイルが染み出てきます。本に油がつくので、このままでは本棚としては使えそうにありませんねぇ・・・
いろいろ調べてみると、桐油はそのままでは乾燥に時間がかかるので、テレピン油を2割ぐらい混ぜて塗るといいようです。その他にも、つや消しのウレタンニスを混ぜて塗る方法もあるようです。
最初に調べておくべきでしたが、後の祭り。目止めに薄めたウレタンニスを2度塗りしました。
tamotana20.jpg(10141 byte)しばらくほったらかしにしていたタモ材本棚ですが、オイルが出てこないようなので、裏板を張って完成させました。裏板はベニヤを釘で打ちつけただけの手抜きです(汗)

裏板を張る前に継ぎ手の部分を撮ってみました。

天板の裏。
tamotana21.jpg(10864 byte)中板の裏。ちょっと隙間がありますねぇ・・・
tamotana22.jpg(9434 byte)前からは継ぎ手部分は見えません(^_^)v
tamotana23.jpg(15925 byte)置いてみました。真ん中がタモ材本棚、左右がSPFです。近いうちに右側の棚とパソコンは処分する予定。机が広く使えるようになります。

初めての広葉樹でしたが、棚板を入れるときにほんの少しでもホゾ穴が狭いとまったく入らず、広葉樹の硬さを実感しました。また、軽く考えていたオイルフィニッシュですが奥が深く、いろんな方法を実験してみたくなりました。いまのところはウレタンニスを少量混ぜるのが扱いやすいのでは?と思っています。ちょっと邪道でしょうか?