2005年10月31日

今年最後の大物です。雪が降る前にと大急ぎで作りましたが、今年の暖冬にも助けられて根雪になる前に完成しました。(^_^)v
あらかじめ手押しと自動カンナで厚さをそろえたので、板矧ぎも苦労なくできました。引出しの前板なども平面がきっちり出ているので、高級感が出たようです(自分のウデが上がったわけではありませんね(笑))
お子さん達は大喜びとの事で、ひと安心です。
ここからは製作風景です。
子供のお友達から机の製作を頼まれました。お姉さんと弟さんの兄弟用に机とキャスター付きの引き出しを2セット同時に作ります。今年の大物は、これで最後かなぁ・・・
基本的には私の子供用に作った机と同じですが、使いにくいところなど、少し変更してます。こちらの方が進化して使いやすいと思います。
まずは荒木取り。仕上がり寸法+10mmで。
荒木取り終了。2セット分なのでこんなにたくさんの材です。
板矧ぎします。まずは自動カンナで軽く表面を均します。詳しくは手押し、自動カンナを使った板矧ぎをご覧下さい。
板矧ぎ終了。
あらかじめ自動カンナで厚みを揃えておいたので、目違いもほとんど出ず、サンダーがけがラクチンでした(^_^)v
天板部分の引出しの受けを作ります。写真は仮に置いてみたところです。
側板と仕切り板は板矧ぎして木目を縦に使ってます。木の伸縮が縦方向に少ないので、狂いが少ないのと、前側には木端が出るので、きれいに見える為。
側板と横板はホゾ組みにします。横板のホゾを掘っているところです。
側板のホゾ穴を掘ってます。直線治具と十字型治具で。直線治具は材に両面テープで貼り付けて固定してます。
ボンドをたっぷりつけてホゾを組み立てます。こんなに大きなクランプがないので、固定はスリムビスで行いました。これじゃあホゾを掘った意味があまりないかな・・・(笑)
枠が完成。
引き出し受けの桟を取付けます。段差がつくとまずいので、端材をクランプで留めて、横板に真直ぐに取り付くようにしています。
仕切り板を取付けます。木目を縦に使っているので、材はふにゃふにゃと曲がります(汗)端材をあてて、真直ぐにして桟を取付けます。
仕切り板と側板の桟が付きました。下側は引き出しの受けですが、上側は天板をネジ止めするための桟です。
側板と仕切り板がふにゃふにゃしているので、この段階では枠の直角は若干ずれてます。手で押さえると直角に出来るので、天板を取付けるときに矯正して取付けます。側板と仕切り板の木目を縦に使わなければがっちりと出来るので、そのほうが組み立てやすいかもしれません。
天板を板矧ぎします。天板は反りの少ないパイン集製材にしました。1200mm×360mmの集成材を2枚矧ぎです。ビスケットジョイントカッターでビスケットの穴を掘ります。写真撮影の関係で左手は使えませんでしたが、左手は位置決め用のブレードをしっかりと押さえます。これで目違いはほとんど出なくなります。
天板にくぼみ発見!
のほほんさんの瞬間接着剤を使った方法で埋めました。完璧です!おがくずはSPF材の切り屑です。
天板の板矧ぎ中。1100×700の天板はさすがにでかい!
側板の下に足用の板をつけます。ホゾで入れるので、側板にホゾを彫ります。10mmビットと直線治具で。
欠けないように、あらかじめ向こう側を10〜20mmぐらい削っておきます。トリマーの進行方向と逆になるので、トリマーが走ります。十分気を付けて行います。
ホゾの深さは10mmにしました。10mmビットで10mmのホゾは一度に削れないので、4mmの合板をスペーサーにして1度目を削ります。写真はスペーサーを挟んで1度削った状態です。この後スペーサーを外して2度目を削ります。
木端も5mmぐらい削ります。ホゾ切り用の治具で。
角をヤスリで削って出来上がり。
足用の板にホゾ穴を掘ります。10mmビットと直線治具と十字型ストップ治具で。
次は側板の前のカーブをつけます。鋼尺をしならせて、自然なカーブを出します。誰かいれば押さえてもらって墨付けする事が出来ますが、一人ではそれも出来ません。
両端の2ヶ所に釘を打ち、ここに鋼尺を当てながら真ん中を片手で押し上げて形を作る事に。
写真は墨付けした後に撮りました。
こんな感じでカーブを出します。撮影用に無理な格好で撮っているのでこのような写真になりましたが、実際は真ん中を押さえてしならせながら押し上げます。
ジグソーでカットしたら、トリマーのパターンビットで直角を出します。ガイドローラーがギリギリ縁にかかるようにして表と裏2回かけるときれいに直角が出ます。
こんな感じに仕上がりました。
足をボンドで止めます。
次はハートの切抜き。チラシなどで型紙を作ったら鉛筆で縁をなぞって墨付けします。
ハートの上部に2ヶ所穴を開け、ここからジグソーで切り始めます。写真は左側半分を切ったところ。
これで側板完成です。切り抜きは女の子用のみ行いました。男の子用はそのまま。ちょっとそっけないかなぁ・・・
天板の角を丸めます。丸ノコで45度に切ってからテンプレートを当て、トリマーとパターンビットで仕上げます。あらかじめ丸ノコで切っておくとトリマーで削る部分が少なくなり、綺麗に仕上がります。
天板と足を塗装しておきます。ウレタンニスをウエスで刷り込みました。
乾いたら天板と引出しの受けを結合。この時、引出しの受けの矩を出しつつビス止めします。
足と天板部分はナットで留めて、分解できるようにします。
まず、逆さにして、足を天板に合わせます。足にはあらかじめ5mmのビス穴を開けておき、5mmのドリル刃を押し込み、引き出し受けの側板にセンターの印をつけます。
足を外して、ねじ込み式の鬼目ナット用に下穴を開けます。8mmです。ドリルスタンドで垂直にあけました。
奥の穴はドリルスタンドが天板に引っかかり、スペーサーをかませて開ける羽目に。天板の取付け前に、端材を天板代わりにして位置決めしたほうが簡単でした。
下穴が開いたら六角レンチで鬼目ナットをねじ込んで完成。写真の奥がねじ込んだ状態です。
側板に天板部分の受け用の桟を取付けます。現物合わせでぴったりになるように。
仮組みしてみました。側板の穴がきつかったので、6mmで開けなおしました(汗)鬼目ナットの位置は大きなずれもないようです。ちょっときついところもありますがビスはどうにか絞まり、一安心です(^_^)v
形になると、やる気が沸いてきます!机はひとまずここまでにして、次はキャスター付きの引出しを作ります。
キャスター付きの引出しはビスケットで組みます。ビス留め&ダボ埋めよりも綺麗に仕上がります。
天板のビスケットの位置決めはこのようにしてやります。上は側板、下は天板です。天板は写真のようにビスケットジョイントカッターを立てて開けます。側板には横にして。どちらもビスケットジョイントカッターの底面を基準にして開けてます。こうすると墨線にぴったりに組み合わせる事ができます。
天板は仮乗せで底板と側板のみボンドで固定します。この段階で天板を固定してしまうとトリマーで面取りができない部分ができてしまうためです。この時、直角には気を付けて固定します。写真ではスコヤを当ててますが、右斜めと左斜めの対角線の寸法を測ると確実です。大きなスコヤがあれば、クランプでしっかりと固定すれば間違いなく直角が出ますね。
天板の角のRを出します。角面取り用テンプレートで。
テンプレートを当てて墨線を引きます。
墨線の少し外側をだいたい45度になるように丸ノコで落とします。その後、テンプレートを当ててパターンビットで面取りします。どうしても焦げが出るので、ヤスリで削ってサンドペーパーで仕上げます。この後、全ての角を1.5mmRの丸面ビットで面取りします。
天板をボンドで固定します。自作のクランプで留めてます。真ん中を留めるのに、もう一組欲しいところです。そのうち作りましょっと。
次は引き出し用の材の木取りを行いました。またまた、たくさんの材ですね〜(^_^)。詳しくは手押し、自動カンナを使った木取り手押し、自動カンナを使った板矧ぎを参考にしてください。
板矧ぎせずに使う材は厚さ18mmに揃えました。板矧ぎする材は短いのでイモ矧ぎに。片面は軽く手押しをかけて平面を出しました。この面を基準にして矧いで、後から自動カンナで厚さ18mmに揃える事にしました。そうすると矧いだ痕は全くわからなくなるはずです。
まずは机用の高さの低い引出しを作ります。引出しの高さと幅は必ず入る部分の寸法を測り、現物合わせでその寸法に合わせます。図面どおりに作ってぴったりと合うのはよっぽど運がいいときです。ラッキー!と叫びましょう(^_^)
引出しの側板にホゾを掘ります。奥はホゾが完成したところです。ホゾ組みを参考にしてください。
次にホゾ穴です。奥はホゾ穴を掘ったところ。
前板を後から付ける形ではないので、前板の上下左右の微調整がききません。墨付けは十分に考えてから、慎重に行いました。ここでチョンボすると、後がたいへんです(^_^)
ちょっとわかりにくいですが、底板用に4.7mmの溝を掘っているところです。奥が掘り終わった材です。直線切り治具とスパイラルビットで。
トリマーのベースに直線切り治具と同じ厚さの合板の端材を貼り付けました。これで安定してトリマーを送れます。
全てのホゾ、ホゾ穴、溝を掘り終えました。底板は4mmのシナベニヤ。上が前板です。
組み立てる前に前板のみ塗装します。ホゾ穴のまわりはマスキングテープで養生して塗料がつかないようにします。側板と後板、底板は無塗装です。
クランプで締め付け。
完成です。
引出しを机に入れてみました。引出しの前板を下に10mm飛び出させて、ここに手をかけて引く様にしました。
側板の上下がちょっときついところがあったので、カンナで削って微調整しました。まずまずの納まり具合です。
友達と休みが合ったので、遊びに行きがてらとりあえず机だけ持って行って組み立てて来ました。組み立てを待ちきれないようでお子さん達も手伝ってくれました。完成したらさっそくそれぞれのお宝を引出しに。喜んでくれてひと安心です(^_^)v
あとはキャスター付き引出しです。
たくさんあって、作るのに時間がかかったのですが、引出しを作るところは前と同じなので省略です。前の引出しと違うところは、大きさぐらいですか・・・(笑)形は2つ下の写真を見ていただければわかると思います。
今回はスライドレールを使ってみました。詳しくはスライドレール取付けをご覧下さい。
引出しの隙間は1.5mmぐらいです。これ以上大きいと、隙間が目立ちます。
引き出した状態。
一番上の引出しには鉛筆や消しゴムなどの小物をいれいられるような仕切りを、2段目と3段目にはCDが入る幅の仕切りを入れました。CD用の仕切りは手前と奥に2ヶ所溝を掘り、仕切り板を移動できるようにしました。
キャスターと背板を取付けて完成です。
2台仲良く並んでます。
つまみは前板の上から1:1.62の場所に取付けました(真ん中より若干上側です)。黄金比率といって、これが一番美しく見える場所だそうです。実際、見た感じはいいです。

なんだか、ダラダラと長くなってしまいましたが、最後まで付き合っていただきありがとうございます。